LOVE 第3夜~Mes Muses
今月はSt.ValentineDayですね!
今回はValentineにちなみ3回にわたって3つの恋のお話をご紹介します。
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小学生の頃、倉敷にある『大原美術館』である1枚の絵に出会った。太い輪郭線で描かれた痩せた女性。黒髪に意思の強い黒い瞳。子供ながらにこの絵を眺めていると心が痛いような気持ちになった。けれどこの絵が何故か頭を離れなかった。絵を描いた画家はベルナール・ビュッフェ、絵は『アナベルの像』といった。後に絵のモデルは画家の夫人であるアナベル・ビュッフェと知った。
そして、彼女はビュッフェにとって生涯のミューズ(Mes Muses)であり、二人の間に結ばれた深い愛を知ることとなった。
■□Bernard Buffet(ベルナール・ビュッフェ)
1928年-1999年
画家。パリ生まれ。不仲な両親の間に育ち幼い頃から友達と交わることもなく孤独な少年時代を過ごす。その後15歳で美術学校『エコール・ボザール』へ入学。学生生活は画家になる為の修練の日々であったと同時に戦時下でもあった。終戦後、最愛の母が病死。1948年『クリティック賞(批評家賞)』受賞しパリ画壇へデビューした。その後ビュッフェはパリの具像画家としての地位を確実にし、版画、挿絵、舞台装置…と様々な仕事を手がける。1958年、アナベル・ド・リュールと結婚する。1971年フランス政府より『レジオン・ドヌール勲賞(シュヴァリエ)』の称号を受ける。1999年パーキンソン病により筆を持つことが出来なくなったビュッフェは自らの命を絶った。(下段絵:ビュッフェ作)
□■Annabel Buffet(アナベル・ビュッフェ)
1928年-2005年
パリ生まれ。裕福なユダヤ人家庭で育つが幼い頃に両親が離婚。母の再婚相手と生活するがアナベルが8歳の時、母は自殺する。その後別れた実父と暮らすが新しい家族とも馴染めず孤独な少女を時代を送る。19歳で家を出、堪能な語学力を活かし翻訳、美貌を活かしモデルの仕事で自活するようになる。そんな折、再び悲劇がアナベルを襲う。実父の自殺であった。両親の自殺と孤独からアナベルは愛や信頼への恐怖を持つようになり、同時に永遠の愛を探し求めるようになったと言う。そんなアナベルは歳を重ねるごとに美貌は増し、1950年代、『パリの華』と謳われるようになる。1958年、ビュッフェと結婚後はビュッフェの絵のモデルとして、ミューズとして、妻、母として生きた。2005年没。(下段絵:ビュッフェの描いたアナベル)
■■LOVE ~Significant Others(重要な他人)
二人の出会いは1958年の南仏サン・トロペ。二人は初めて会ったはずなのに何故か互いに心を開くことが出来た。ビュッフェは『このまま別れることは出来ない』といい、アナベルもまた『何故これほど激しく結ばれるのだろう、サン・トロペの路地で会うまでは他人でだったのに』…と。後に二人はこう語っている。『お互いをSignificant Others=重要な他人と認めるのに時間はかからなかった』と。
ビュッフェが初めてアナベルを描いたとき彼はアナベルをスツールに座らせ彼女の瞳を見つめ筆を滑らせた。『ベルナールは私の何を見つめているのかしら』出来上がった絵はこれまでの彼女の孤独や苦悩を拭い去った新たなアナベルが描かれていた。その時の肖像画について後にアナベルは語っている。『ベルナールは彼自身のために手元に置きたかったのでしょう。誰にも渡したくない理想の私の姿を…』。ビュッフェもまたアナベルによって変わっていった。それまでのモノトーンの色調から明るい色彩を使い、強く太い直線の画風へと変わった。ビュッフェはこう語っている。
『私にとってアナベルは非常に大きな存在で、ミューズと言ってもよいだろう』と。
41年間の結婚生活で二人が大切にしたものは『互いを愛し、信頼し、尊敬し、尊重し、対等であり、才能を認め合うこと』であったという。
二人の愛はビュッフェの自殺で幕を下ろした。アナベルはこう語っている。『描くことが彼の全てだった。私はベルナールの作品のすべてを愛しています。41年間の愛情と友情は決して消えることはありません。それは彼の遺した思い出と作品が証明しています。~彼の描いた(私の)裸体画を見つめていると、絵の中の私に激励されるのです。彼の遺した絵のおかげで、私はベルナールに愛されていたときの自分を保っていられるのです』と。(下段写真:ビュッフェとアナベル)
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2月14日はValentineDay。
愛を告白する日ですね。”チョコレートを食べる日”とも言うけれど![]()
ビュッフェとアナベルのような『深い愛、尊敬、尊重、対等、才能を認め合う』をパートナーと築くというのはなかなか出来ることではないように思います。
けれど、この内の3つくらい、いや…せめて2つくらいの思いは愛する人に持ち、私も持たれたいなぁって思います。
さて、皆様の2009年、Valentineはどのように過ごされるのでしょうか?
どうぞ、~HAPPY VALENTINE~でありますよーに!













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